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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻12号

1976年12月発行

文献概要

研究

アニサキス幼虫による急性局所性腸炎―疫学的および臨床的観察

著者: 窪田裕之1 相川公太郎1 中隆1

所属機関: 1金沢聖霊病院外科

ページ範囲:P.1641 - P.1644

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 回腸末端炎あるいは腸蜂窩織炎などと呼ばれてきた疾患のなかには,蛔虫などの線虫の腸管壁への穿入が関与しているもののあることが指摘されてきたが,1960年van Thielがニシンに寄生していた線虫をアニサキス幼虫と同定し,本幼虫による急性局所性腸炎を報告して以来,本邦においても大鶴,吉村,石倉らにより広範な研究が行なわれてきている.本症はアニサキス幼虫を包蔵した海産魚類の生食により感染することから日常の食生活との関係が深く,さらに急性虫垂炎,腸閉塞症によく似た症状を呈するなど臨床上重要な疾患と考えられる.さきに石倉らにより全国調査が行なわれ,そのなかで本症が地域的に種々な特色を有していることが報告されているが,われわれは数年来手術所見から急性局所性腸炎と診断した例について,発症前に食べた海産魚類の種類,症状や局所所見などについて調査を続けてきたので,現在までに得られた結果につき報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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