文献詳細
今月の主題 小腸疾患の現況
主題
文献概要
小腸へのアプローチは,アイソトープや小腸内視鏡下生検で機能と形態を対比しつつ,ようやく“暗黒の大陸”が明けるごとく手掛りをつかめるようになってきた.もちろん昔から消化吸収の機序は研究されていたが,絨毛上皮のbrush borderについての最近の研究は今までの消化吸収の考えを大きく修正した.また,小腸性下痢の機序はコレラを中心にして一段と分子レベルに近づいてきている.また昔からcoproantibodyの考えはあったが,腸における免疫の機序も明らかにされてきた.本稿では,小腸の吸収,漏出,分泌,免疫の面から最近の知見と著者らの成績について述べてみたい.
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