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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻2号

1976年02月発行

研究

小腸粘膜の肉眼所見と内視鏡像

著者: 木原彊1

所属機関: 1川崎医科大学消化器内科

ページ範囲:P.187 - P.194

文献概要

 上部消化管の肉眼病理学的な研究はレ線,内視鏡診断学の進歩とあいまって,微細な粘膜面の変化の観察に至るまで,著しく進歩した.一方,小腸の肉眼病理学的な観察は特殊性炎症や腫瘍性病変については精細な報告があるが,非特異的な変化や1mm前後の微細な変化についての報告は少ない1).この主な理由は剖検では死後直ちに腸管を固定しないかぎり粘膜の自家融解が起こり,微細な病変を観察し得ないからである.小腸ファイバースコープの開発とその実用化への努力は,小腸粘膜の肉眼病理を大いに進歩させるものと思われる.著者は昭和39年以来,岡山大学第一内科剖検例,川崎医大消化器内科剖検例について,死後Rigor mortisに至る以前に腸管内に10%フォルマリン,または2.5%グルタルアルデヒドを注入し充分に空腸全域を固定し,上部消化管粘膜の肉眼病理について検討を続けて来た.本論文では,十二指腸病変を除き,空腸粘膜の肉眼所見について代表例を呈示し報告し,一部,小腸ファイバースコープ(SIF-Type B)について観察し得た内視鏡像を呈示したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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