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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻2号

1976年02月発行

文献概要

研究

急性胃ヘテロケイルス症の生検

著者: 長野一雄1 佐々木寧1 大谷宣人1 徳富義明2 仲屋佐太男3 大石圭一4

所属機関: 1函館市函館共愛会病院内科 2函館市中央病院内科 3函館市渡辺病院内科 4北海道大学水産学部食品化学研究室

ページ範囲:P.195 - P.201

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 急性胃ヘテロケイルス症における虫体穿入部周辺の胃粘膜の状態は,すでに報告1)2)されているごとく穿入部を中心に発赤・腫脹し所々に出血班や出血性ビランを伴うものもあるが,なかにはほとんど正常に近い状態を示すものも観察されその粘膜変化は決して一様ではない.本症は1970年並木ら5)がAnisakis幼虫Ⅰ型を,1972年筆者ら3)4)および鈴木ら6)がTerranova幼虫A型をそれぞれ急性胃炎様患者胃内より摘出してから明かになった疾病であり,激しい臨床症状を呈してKatzら7)のacute gastric mucosal lesionの,または川井ら8)の急性胃病変のカテゴリーに属するが,比較的短期間に経過することが多いのでその病理組織学的変化については二,三1)2)9)の報告はみられるが必ずしも充分解明されたわけではない.そこで本症の生検像と動物実験における所見を比較し,本症の成因について若干の検討を加えてみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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