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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻3号

1976年03月発行

文献概要

研究

経胃的膵Aspiration Biopsy

著者: 近藤直嗣1 添田修二1 赤司光弘1 辺見武彦1 伊藤俊哉1 土屋凉一1 ニツ木浩一2 池田保明3

所属機関: 1長崎大学医学部第2外科 2長崎大学医学部第2内科 3佐世保市池田内科

ページ範囲:P.371 - P.377

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 近年膵疾患の診断には,十二指腸ファイバースコープによる逆行性膵管造影検査および直接膵液採取による細胞診が行なわれるようになり,その診断率は向上してきた.しかし,膵管造影所見のみでは慢性膵炎と膵癌とは鑑別困難なことも少なくない.また,膵液細胞診は膵液中に常に一定の数の新鮮な癌細胞の遊出を条件とするため,膵体尾部癌の診断には限界がある.

 筆者らは,数年前より潰瘍治療用に作られた胃内視鏡用注射針を改良し,先端の針の長さを長くしたものを試作した.これは注射針を逆に吸引針として使用するもので,胃の粘膜下腫瘍や癌の粘膜下浸潤の細胞診に供した.これらの手技,方法および成績については既に報告した3)~5).この長針を輩直に刺入した場合,胃壁を十分に通過し,近接他臓器に3~4mm刺入可能である.そこで筆者らは臨床的に膵癌を疑い,胃造影検査や胃内視鏡検査で胃後壁が前方に圧排された症例について,胃ファイバースコープ(GFB,Type B2)を使って,膵組織の経胃的な吸引細胞診を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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