文献詳細
今月の主題 研究・症例特集
研究
ICRマウスにおける同種胃抗原感作による胃粘膜の変化
著者: 渡辺敦光1 滝沢韶一1 広瀬文男1
所属機関: 1広島大学原爆放射能医学研究所放射線誘発癌研究部門
ページ範囲:P.417 - P.423
文献概要
臨床的立場から萎縮性胃炎を考える場合,この疾患が自己免疫性であるという考え方が支持されているため5),実験的には胃抗原投与を行なって同疾患を誘発させるという方面からの研究が進められてきている.このような方法に用いられてきた実験動物はイヌ3)4)であって,モルモット,ラットやマウスにおいては抗原処理による萎縮性胃炎の発生の報告はない6).もし小動物を用いてイヌに見られるような萎縮性胃炎を発生させることが可能であるならば,その発生過程を多くの動物を用いて詳細に追跡研究することができるはずである.われわれは最近マウスにラットやマウスの胃抗原を投与することにより萎縮性胃炎を発生させることができた7)~9).同様な方法により,ICRマウスの胃抗原を同系のマウスに投与したところ,異種の抗原投与の場合と異なった結果が得られたので,その結果を報告する.
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