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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻4号

1976年04月発行

今月の主題 研究・症例特集

研究

ICRマウスにおける同種胃抗原感作による胃粘膜の変化

著者: 渡辺敦光1 滝沢韶一1 広瀬文男1

所属機関: 1広島大学原爆放射能医学研究所放射線誘発癌研究部門

ページ範囲:P.417 - P.423

文献概要

 萎縮性胃炎を実験的に作る方法として,古くから温水や化学薬品などを直接胃に投与したり1),胃の一部を切除する2)という方法で,まず急性胃炎を起させて,その後に慢性胃炎を作るというやり方とか,自己,同種および異種の胃液3)や胃組織を投与して萎縮性胃炎を起す方法4)などが知られている.

 臨床的立場から萎縮性胃炎を考える場合,この疾患が自己免疫性であるという考え方が支持されているため5),実験的には胃抗原投与を行なって同疾患を誘発させるという方面からの研究が進められてきている.このような方法に用いられてきた実験動物はイヌ3)4)であって,モルモット,ラットやマウスにおいては抗原処理による萎縮性胃炎の発生の報告はない6).もし小動物を用いてイヌに見られるような萎縮性胃炎を発生させることが可能であるならば,その発生過程を多くの動物を用いて詳細に追跡研究することができるはずである.われわれは最近マウスにラットやマウスの胃抗原を投与することにより萎縮性胃炎を発生させることができた7)~9).同様な方法により,ICRマウスの胃抗原を同系のマウスに投与したところ,異種の抗原投与の場合と異なった結果が得られたので,その結果を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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