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今月の主題 研究・症例特集
研究
胃粘膜下腫瘍の確定診断―胃穿刺吸引細胞診について
著者: 添田修二1 近藤直嗣1 赤司光弘1 伊藤俊哉1 土屋凉一1 二ツ木浩一2
所属機関: 1長崎大学医学部第2外科 2長崎大学医学部第2内科
ページ範囲:P.425 - P.430
文献概要
器具および方法
胃穿刺吸引細胞診は,胃生検用ファイバースコープ(GFB2)を用い,生検鉗子の代りに穿刺吸引針(Fig. 1)を直視下に病巣に刺入,直接病変部より細胞を吸引採取する方法である.長さの異る2種類の穿刺吸引針(4mm,6mm)を準備し,病巣の深さに応じて適宜使用している.以下本法の実施方法を述べる.
①生検用ファイバースコープを挿入,目的の病変をとらえる.
②鉗子孔を通して穿刺吸引針を挿入,目的の部位を粘膜を通して穿刺する(Fig. 2).
③20mlのディスポ注射器に1mlの生理的食塩水を容れ,これを穿刺吸引針に接続.注射器に陰圧を加えることにより,粘膜下組織の吸引を行う.
④この操作を部位を変え,あるいは針の長さを変え数回行う.
⑤採取された検体は主として穿刺針内に留っており,あらかじめ注射器内に容れた生理的食塩水にて99.5%エチルアルコール2ml内に噴射する.この操作により細胞は約70%エチルアルコールにて直ちに固定されることになる.
⑥遠沈によって得られた沈渣よりPapanicolaou染色塗沫標本ならびにH-E染色Cell-Block標本を作製する.
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