文献詳細
今月の主題 研究・症例特集
研究
吐血を主訴とした胃癌の6例
著者: 池田耕12 池尻其行12 羽栗純夫12 村上浩12 太田智規12 吉村雪夫12 小山田千秋3 田中昌俊3 渡辺正剛3 森松稔4
所属機関: 1済生会福岡総合病院外科 2福岡大学医学部第2外科 3済生会福岡総合病院内科 4久留米大学医学部第2病理
ページ範囲:P.431 - P.439
文献概要
症例
〔症例1〕26歳 男
生来,健康で特に自覚症状はなかった.通勤途中,約400mlの吐血をし,当院外科に入院した.入院直後,再度約300mlの吐血をした.
胃X線所見:2度のX線検査で特記すべき所見を発見できず,胃内視鏡診断後,3度目のX線検査で,胃体上部大彎に不整皺襞集中を認めた.
胃内視鏡所見:胃体上部大彎に皺襞集中を伴った辺縁不整な潰瘍があり,Ⅱc+Ⅲ型早期胃癌と診断した.
胃生検でgroupⅤと診断し,幽門側胃亜全摘出術(リンパ節廓清度R2)を施行した.
切除胃肉眼所見:胃体上部大彎に1.5×1.2cm大の皺襞集中を伴った不整潰瘍があり,その潰瘍底部に露出した血管の断端を認めた.組織学的所見はTable6参照.
掲載誌情報