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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻4号

1976年04月発行

今月の主題 研究・症例特集

症例

残胃に発生したⅡa型微小胃癌の1例

著者: 伊東進12 村上剛12 神原勤12 田中通博3 尾崎健次郎3 岸清一郎4 北村嘉男4 赤木郷5

所属機関: 1国立善通寺病院内科 2徳島大学医学部第2内科 3国立善通寺病院外科 4徳島大学医学部第2内科学教室 5徳島大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.449 - P.453

文献概要

 良性疾患で胃切除を受け,術後数年を経て発生した胃癌は一般に残胃癌といわれている.残胃癌の報告例は欧米では多いが,本邦では少なく,山下ら1)によると中村ら2)(1953年)の報告以来1971年までに106例の報告例があるのみである.これら残胃癌の報告例のほとんどは進行癌で,山下らは残胃早期癌の報告はわずか5例に過ぎないと述べている.山岸ら3)も残胃早期癌の報告はわずかに7例のみであると述べている.しかしながら,山下ら1),山岸ら3)の報告例の中には,学会報告のみで詳細が不明なもの,あるいは胃切除後5年以内に発見された例も含まれている.したがって,胃切除5年以上経過した残胃早期癌の文献的報告例はさらに少ないものと思われる.

 著者らが文献的に調査したところ,残胃に発生した早期癌の報告は6例のみであり,きわめて稀であると思われる.このたび著者らは,胃潰瘍術後27年目に発見された残胃早期癌を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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