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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻4号

1976年04月発行

文献概要

今月の主題 研究・症例特集 症例

幽門輪に接したⅡc型早期胃癌の1例

著者: 福本圭志1 加藤三郎1 光吉靖夫1 竹林政史1 菅原侠治2 加藤守彦2

所属機関: 1琵琶湖胃腸病院内科 2琵琶湖胃腸病院外科

ページ範囲:P.455 - P.460

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 幽門近旁部は粘膜の萎縮および腸上皮化性を強く来し,さらにビランや潰瘍などの修復に伴う変形を生じやすく,その上,胃の旺盛な蠕動運動の影響をうける部位である.それにX線検査では,十二指腸とか脊柱との重なりのために鮮明な描出が困難で,また内視鏡検査でも従来は変形とか遠景のために目的部位の観察が充分でなかったり,生検も不正確に終ることが多かった.したがって悪性病変を疑いながらも確診を得るに至らないままに胃切除術を施行したが,その後の組織学的検索にて良性であったものや,悪性を強く疑いながらも確診できず,そのまま経過観察のやむなきにいたった症例も経験してきた.

 しかし,最近の側視式十二指腸ファイバースコープ(JF-B),またGIF-Dを中心とした直視式のPanendoscopeの開発により,幽門およびその近傍部を直視下に正面像をとらえ,詳細な観察と正確な生検により,幽門近旁部病変の診断を正確に,とりわけ微小胃癌の術前診断をも可能にした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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