文献詳細
今月の主題 研究・症例特集
症例
早期胃癌と合併した胃平滑筋肉腫の1例
著者: 毛利昭生1 若本敦雄1 甲斐良樹2 藤谷博義2 田原栄一3
所属機関: 1双三中央病院内科 2双三中央病院外科 3広島大学医学部第2病理学教室
ページ範囲:P.461 - P.465
文献概要
症例
患 者:42歳 男 会社員
主 訴:えん下困難
家族歴・既応歴:特記事項なし
現病歴:1973年8月ごろより物を食べると呑込みにくくなったり,また腹部膨満感が時々あるも放置していた.しかし前記症状が1974年3月ごろより次第に強くなったので同年5月当科を受診した,なお,上腹部痛,下血等の胃腸症状はなかった.
入院時現症・検査所見:体格中等度で栄養状態は可.眼瞼結膜および球結膜に貧血,黄疸はなし.頸部および鎖骨上窩リンパ節は触知しない,心肺は特に異常なし.腹部は平坦で圧痛などもなく肝,脾腫もなし.腱反射は正常.血圧120-70mmHg.尿検査は正常.便潜血反応は陰性.赤血球418万.Ht38%,Hb129/dl.白血球8,700.肝機能はほぼ正常.梅毒反応は陰性.胸部レ線およびECGには異常なし.血沈1時間値17mm.
掲載誌情報