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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻4号

1976年04月発行

今月の主題 研究・症例特集

症例

早期胃癌と合併した胃平滑筋肉腫の1例

著者: 毛利昭生1 若本敦雄1 甲斐良樹2 藤谷博義2 田原栄一3

所属機関: 1双三中央病院内科 2双三中央病院外科 3広島大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.461 - P.465

文献概要

 一般に胃腸管系に発生母地の違った悪性腫瘍が共存することは極めて稀である.最近,我々は臨床的にボールマンⅠ型の胃癌の診断のもとに胃切除術を行った症例に,噴開部から胃底部にかけて平滑筋肉腫と,それとは独立して体部後壁にⅡc型早期癌とが共存した非常に稀な1症例を経験したので報告する.

症例

 患 者:42歳 男 会社員

 主 訴:えん下困難

 家族歴・既応歴:特記事項なし

 現病歴:1973年8月ごろより物を食べると呑込みにくくなったり,また腹部膨満感が時々あるも放置していた.しかし前記症状が1974年3月ごろより次第に強くなったので同年5月当科を受診した,なお,上腹部痛,下血等の胃腸症状はなかった.

 入院時現症・検査所見:体格中等度で栄養状態は可.眼瞼結膜および球結膜に貧血,黄疸はなし.頸部および鎖骨上窩リンパ節は触知しない,心肺は特に異常なし.腹部は平坦で圧痛などもなく肝,脾腫もなし.腱反射は正常.血圧120-70mmHg.尿検査は正常.便潜血反応は陰性.赤血球418万.Ht38%,Hb129/dl.白血球8,700.肝機能はほぼ正常.梅毒反応は陰性.胸部レ線およびECGには異常なし.血沈1時間値17mm.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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