文献詳細
今月の主題 研究・症例特集
症例
著明な間質反応を伴った胃のいわゆる癌肉腫の1例
著者: 富永浩平12 ニツ木浩一3 牧山和也3 松永圭一郎3 久松厳4 高原誠4
所属機関: 1長崎大学熱帯医学研究所病理学部門 2東京都立駒込病院病理学科 3長崎大学医学部第2内科 4是真会東望病院
ページ範囲:P.467 - P.473
文献概要
症例
患 者:63歳 男性
主 訴:心窩部重圧感
家族歴:父(43歳)と母(80歳)共に胃癌で死亡.同胞5人には特記事項なし.
現病歴:約20年前より某院で便秘のため冶療を受けていた.1970年8月30日,心窩部に重圧感および膨満感があり是真会東望病院を訪れたが,心窩部痛,胸やけ,嘔気その他の消化器症状はなかった.同年9月1日,胃X線検査を受け前庭部小彎に巨大潰瘍があり穿通性胃潰瘍を疑われ同院に入院した.
入院時現症:体格大,栄養状態良好.眼瞼結膜に貧血なく,眼球結膜に黄疸なし,脈拍80整,緊張良好,血圧130/70.口腔および咽頭に著変なく,舌苔厚し.頸部リンパ節腫脹なし.心肺に理学的所見なし.腹部は平坦.軟で圧痛,抵抗もなく腫瘤触知せず.肝,脾,腎はともに触知せず.下肢に浮腫なく腱反射正常で病的反射なし.
掲載誌情報