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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻4号

1976年04月発行

今月の主題 研究・症例特集

症例

長大な縦走潰瘍を有した小腸クローン病の1例

著者: 湯川研一1 北陸平1 金英一1 仲川恵三2 谷口春生3

所属機関: 1湯川胃腸病院 2奈良県立医科大学第1外科 3大阪府立成人病センター

ページ範囲:P.487 - P.492

文献概要

 従来日本ではクローン病といえば急性クローン病のことを指し,欧米に多い慢性クローン病の報告は少なかった.しかし最近のCIOMS1)の分類によれば,この急性型はクローン病とは別の疾患単位とされている.慢性型クローン病(以下クローン病と呼称)は既に本誌2)で特集が組まれ,第17回日本消化器内視鏡学会シンポジウム3)にもとりあげられたように,今日最も注目されている疾患の1っである.学会シンポジウムでは大腸クローン病に比し小腸クローン病の報告が少ないことが指摘されたが,このことは小腸X線検査に二重造影法がまだ十分とり入れられておらず,内視鏡検査も困難で,小腸疾患に対する関心がまだ高いとはいえないことも一因であろう.

 クローン病は今日なお概念や病態に不明の点が多い疾患である4)5).このような状態においては疑わしい症例を詳細に検討することも大切であるが,一方においては臨床・病理両面から積極的にクローン病といえる症例を検討,集積することが必要であろう.今回長大な縦走潰瘍を有した小腸クローン病の1例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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