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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻4号

1976年04月発行

今月の主題 研究・症例特集

症例

抗癌剤長期投与により興味ある経過をとった直腸癌の1例

著者: 加藤祐之助1 小林一雄1 小野田肇1 粕川剛義1 秋間道夫2 一森繁生2

所属機関: 1東邦大学第1外科教室 2東邦大学第1病理学教室

ページ範囲:P.513 - P.517

文献概要

 現在癌の治療法としては,手術治療が中心ではあるが,化学療法の分野にもその進歩に著しいものがあり,薬剤の開発だけでなく,多剤併用,間歇あるいは連続投与,動脈内注入などその投与方法の改善により,副作用を少なくしつつ制癌効果をあげるべく努力がなされている.最近は切除不能例ばかりでなく,根治手術が行われたと判断されたものに対しても,再発予防的な化学療法を行う傾向になっている.5-FUはこれらの薬剤の中でも,結腸,直腸,および乳腺の腺癌に対し,かなり特異的に効果を示すといわれている1)~4)

 筆者らは今回,直腸進行癌と診断されてから,8カ月にわたる5-FUを主とした化学療法を施行した後に手術を行い,癌の浸潤が粘膜下層にとどまり,リンパ節転移のない,いわゆる大腸早期癌であり,しかも組織学的に,5-FUの効果と思われる所見を示した1例を経験し,5-FUによるものと思われる粘膜変化について,若干の知見を得たので発表する

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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