文献詳細
今月の主題 胃潰瘍癌の考え方
主題
胃潰瘍の癌化について―臨床的follow upを中心に
著者: 原義雄12 小越和栄12 飛田祐吉2 丹羽正之2 斉藤征史2 栗田雄三2 筒井一哉2 佐藤正之2 千原明2 木滑孝三2 堀川紘三2 村川英三2
所属機関: 1新潟県立がんセンター内科 2東京都立駒込病院内科
ページ範囲:P.565 - P.572
文献概要
いずれにせよ,潰瘍から癌化した瞬間,1つの細胞が癌化したとき,それを目撃する方法がない今日,本当にそれが潰瘍搬痕からの癌化であったという断定は誰にもできないのであって,多数例につき検討してその趨勢を知り,その上に仮説を立てることしか,現在とるべき道はないと考える.そこで,私共は昭和36年4月より,新潟がんセンターにおいて取扱った胃潰瘍患者のうち,治癒した症例をできる限りその後も忠実に追跡して,その中で潰瘍と思っていたものが胃癌となったというものについて,検討した結果をこれまでも報告したが16)ここに更に詳しく報告してみたい.
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