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症例
表層拡大型早期胃癌の1例
著者: 高原耕1 高原浩2 山下厳2 野口恭一3
所属機関: 1日赤長崎原爆病院付属原子力放射能障害対策研究所 2高原中央病院 3日赤長崎原爆病院外科
ページ範囲:P.641 - P.646
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患 者:43歳女子
主 訴:心窩部痛
家族歴:特記すべきことなし.
既往歴:気管支喘息.
現病歴:昭和40年頃から食事とは無関係の軽度の心窩部痛があり,某内科医を訪れ,胃X線検査の結果,慢性胃炎の診断を受けた.その後,内科的治療で症状の軽快を認めたが,昭和47年6月頃から同様の症状が現れ,X線検査の結果,胃潰瘍と診断された.治療の結果,症状は不変で,昭和48年6月に再度X線検査を受け,内視鏡検査をすすめられたため,同12日に高原中央病院を受診した.なお食欲は普通で,体重減少なども気付いていない.同20日に胃切除の目的で,日赤長崎原爆病院へ転医し,同年7月2日に幽門側胃亜全摘術を受けた.
現症:体格中等度.栄養やや不良.理学的所見,一般血液ならびに血清学的検査に異常を認めず.胃液検査(ガストロテスト)は無酸.便潜血反応陰性.血清総蛋白 7.0g/dlであった.
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