文献詳細
胃と腸ノート
胃・十二指腸潰瘍の局所療法のコツ(2)―ステロイドホルモンの用い方
著者: 中川健一1 並木正義1
所属機関: 1北海道大学医学部第3内科
ページ範囲:P.647 - P.647
文献概要
一週に一度のアラントインの局注によって,やがてそのまま治癒してしまえばよいが,もし潰瘍がぐっと縮小しながらも,あるところまできて治癒傾向がストップしてしまったような場合は,その時点でいま一度,潰瘍底に少量のステロイド(ベーターメサゾン0.8~1.2mgを1~2回)を注射してみる.そうすると,それを契機に治癒に向うことがしばしばある.またベーターメサゾンの注入のコツは1カ所に多量注入するのではなく,少量(0.8~1.2mg)を数ヵ所に分注するのがよい.十二指腸潰瘍にはステロイドホルモンは用いていない.
掲載誌情報