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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻6号

1976年06月発行

文献概要

今月の主題 食道・噴門境界部の病変 主題

食道・噴門境界部の微小癌

著者: 鈴木茂1 長与健夫3 村上平1 別宮啓之1 吉田操1 高瀬靖広1 鈴木博孝1 小林誠一郎1 遠藤光夫1 竹本忠良2

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科 2東京女子医科大学消化器病センター内科 3愛知がんセンター病理

ページ範囲:P.697 - P.704

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 病理組織学的に癌組織の広がりが長径1cm以内にとどまる早期胃癌を微小癌と定義すれば,現在までにかなり多くの症例が発見されている.今日ではすでに長径5mm以下のものすら診断されて,このようなものでなければ微小癌といえないとする人さえある.また微小癌に関するシンポジウムも学会ですでに2回にわたりもたれている1)2).しかし,これらはいずれも胃体中部から幽門部にかけての範囲に発生した微小癌についてであって,噴門部の微小癌の診断はやや立遅れたきらいがある.特に食道胃接合部に接した部位に発見された微小癌の症例は,この部位の診断上の特殊性もあり,あまり見当たらない.

 近年前方直視式のいわゆるPanendoscope型のファイバースコープが普及し,この食道胃接合部の観察も多くの人々に容易となってきた.このような現状から,われわれの食道胃接合部上ないしはこれに接した微小癌の症例を提示しつつ,この部位の微小癌の特徴,診断上の問題点等をさぐってみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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