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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻6号

1976年06月発行

文献概要

今月の主題 食道・噴門境界部の病変 主題

Mallory-Weiss症候群―63自験例の分析

著者: 奥山山治1 島津久明2 板井悠二3 木暮喬3

所属機関: 1東京大学医学部老人科 2東京大学医学部第1外科 3東京大学医学部放射外科

ページ範囲:P.715 - P.720

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 1929年MalloryおよびWeissは,飲酒後の嘔吐に引続いて吐血をきたし死亡した4例に共通して噴門部の裂創を認め,吐血の原因はアルコール性胃炎ではなく,嘔吐によって発生した噴門部の裂創を出血源とするものと推論し報告した1).その後の報告には飲酒・嘔吐・吐血をMallory-Weiss症候群のtriadとするものもみられるが,われわれは「嘔吐などにより腹腔内圧が急激に上昇し,噴門部近傍に裂創が発生し,これを出血源として顕出血をきたした例」をMallory-Weiss症候群と定義するのが妥当と考える.

症例の年齢および性別

 1972年より1975年までの4年間に東大病院(老人科,第1外科,放射線科),三井記念病院,平塚胃腸病院,真木病院の4施設において,われわれが上記の定義にしたがって本症と診断した例は63例に達する.63例中61例は内視鏡所見,他の2例は開腹時所見を参考として診断された.年齢的には14歳から78歳までみられたが,Table 1に示すように30歳台から40歳台に多かった.平均年齢は43.7歳で,男性は44.9歳女性は37.2歳であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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