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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻6号

1976年06月発行

文献概要

症例

胃に発生したGlomus腫瘍の1例

著者: 小川威示1 豊島宏1 太中弘2 浦屋経宇3

所属機関: 1日本赤十字社医療センター外科 2日本赤十字社医療センター第2外科 3社会保険第1検査センター

ページ範囲:P.763 - P.766

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 最近われわれは,胃のGlomus腫瘍を経験したので報告する.

症例

 患 者:小○カ○ 54歳 女 主婦

 主 訴:腹部腫瘤

 家族歴:特記事項を認めず

 既往歴:51歳の時,収縮期圧180mmHgの高血圧症を指摘され,以来毎日降圧剤を内服している.

 現病歴:自覚症は全くなかったが,1974年10月健康診断を受け,胃X線検査の結果,胃腫瘍といわれて当院を受診し,1974年11月1日手術の目的で入院した.

 現 症:体格中等度,栄養良,口唇に軽いチアノーゼが見られ,心尖部にRev. Ⅱ度の収縮期雑音が聞かれるほか,胸部・腹部・四肢には理学的に異常所見を認めない.

 検査所見:血液・尿・糞便に全く異常所見を認めず.赤沈値の軽度促進を認めるのみであった.なお心電図は正常であった.

 胃X線検査所見 立位充影像では小彎側・前庭部に軽い引きつれを認めるが,潰瘍あるいは腫瘍と認めるには不十分である.二重造影では小彎側・胃角部に辺縁平滑な隆起を思わせる腫瘍陰影を(Fig. 1),立位圧迫と腹臥位では円形,辺縁平滑な陰影欠損像を認めた(Fig. 2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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