文献詳細
文献概要
今月の主題 pm胃癌 主題
全国集計からみたpm胃癌
著者: 三輪潔1
所属機関: 1国立がんセンター外科
ページ範囲:P.847 - P.853
文献購入ページに移動 早期胃癌がどのようにして進行胃癌に進展するかということは,病理学者にとっては大変興味ある課題であろうが,臨床家にとっても大変重要な問題である.亡くなられた佐野量造博士は,胃癌の深達度別の頻度を潰瘍型と隆起型に分けて調べた結果,両型ともにmからsに至るまでの頻度が直線的にならなく,pmの癌が手術例でもっとも少ない結果となっていることから,おそらく,m・smの早期癌のうち,その発育が遅くてpmにとどまるものと,早期癌の段階から直ちにssおよびsに浸潤を進める速度の速い癌があることに原因しているものであろうと述べている1).その裏づけとして,pm癌の5年生存率は,ss・sの群よりも,m・smの群に近い数字を示していることを挙げており,pm癌を準早期胃癌と呼ぶことができると提唱している.
さて,佐野博士のこれらの業績は,すべて国立がんセンターの手術例をもとになされたものであるが,全国集計の結果をこのような観点からみたらどうであろうか.1969年に胃癌研究会が中心となって,全国の主要病院の外科の絶大な協力のもとに,胃癌の全国登録調査が開始されたが,今回は,すでに集計公表された部分2)を中心に,若干印刷中のものも借用させていただいて,ご参考に供したいと思う.
さて,佐野博士のこれらの業績は,すべて国立がんセンターの手術例をもとになされたものであるが,全国集計の結果をこのような観点からみたらどうであろうか.1969年に胃癌研究会が中心となって,全国の主要病院の外科の絶大な協力のもとに,胃癌の全国登録調査が開始されたが,今回は,すでに集計公表された部分2)を中心に,若干印刷中のものも借用させていただいて,ご参考に供したいと思う.
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