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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻7号

1976年07月発行

文献概要

今月の主題 pm胃癌 主題

pm胃癌の臨床―当院における統計と病理

著者: 山田栄吉1 紀藤毅1

所属機関: 1愛知県がんセンター病院外科

ページ範囲:P.877 - P.884

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 進行癌ばかりで早期胃癌ともなればはなはだ少ない経験しかなかった筆者は,早期胃癌の手術例が増加するとともに漸くその実態を知るようになったのは,愛知県がんセンターが開設されて1,2年後の頃である.同時にまた病理組織学的検索の結果,癌浸潤がわずかながら既に粘膜下層を貫いて固有筋層にみられたため,早期胃癌の範疇を逸脱して失格するいわば準早期胃癌の症例にもしばしば遭遇するようになった.1968年に入ってこれら失格例を含めてpm癌を検討すると,pm癌はたとえそれが小さい胃癌であっても,長径が2cmをこえるとリンパ節転移はもとより病理組織学的に配列違型度・浸潤度など,癌進展の様相は早期胃癌と比べ大いに趣きが異ることに注目した.また症例を重ねるに従い,術後経過の様相も漸次明らかになって,早期胃癌・pm癌などまだ癌浸潤が漿膜に及ばない症例では,その予後を支配する重要な因子は血行性転移殊に肝転移であることを知って,筆者はpm癌に対する一層の関心をもった.胃癌診断の技術が進歩し普及するに従って,早期胃癌・pm癌など予後の良い手術症例が漸次増加するであろう折柄,これらの問題は今後われわれ臨床外科医にとってはなはだ大切であると考えた.1973年紀藤は当院臨床検査部の協力を得てpm癌症例を改めて連続切片で検索し検討した.その結果は数回に亘って学会または誌上に報告したが,このたび編者から標題にみるような課題が与えられたので,愛知県がんセンター病院外科第3部で経験した10年間のpm癌症例の大要を報告しようと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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