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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻8号

1976年08月発行

今月の主題 潰瘍性大腸炎―最近の趨勢

主題

潰瘍性大腸炎の外科的治療

著者: 土屋周二1 竹村浩1 松田好雄1

所属機関: 1横浜市立大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1005 - P.1014

文献概要

 潰瘍性大腸炎患者は近年本邦においても増加の傾向にあり,厚生省特定疾患調査研究班の調査によると1974年までに約2,000例が集計されている.一般に本症は保存的治療では完全治癒が得られず,難治な疾患と考えられているとおり,1974年度以前に発症した1,442例の1974年度における転帰をみると,緩解の得られたものは30.6%にすぎない.20.3%が手術治療を受け,43.1%は治療を継続している.死亡例は86例6%で,このうち術後死亡が47例,手術を受けずに死亡したものが22例,計69例と,死亡例の8割近くが手術に関係した原因で死亡している1)(Fig. 1).

 この事実から,今後より効果的な内科的治療法を開発することはもちろんであるが,外科側として現段階では,どのような症例を手術適応とすべきかの正しい診断と手術時期の適切な判断が治療成績向上につながる当面の課題であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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