icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻8号

1976年08月発行

文献概要

今月の主題 潰瘍性大腸炎―最近の趨勢 鼎談

潰瘍性大腸炎―治療を中心に

著者: 白鳥常男1 土屋雅春2 白壁彦夫3

所属機関: 1奈良医大第1外科 2慶応大内科 3順天堂大消化器内科

ページ範囲:P.1030 - P.1039

文献購入ページに移動
 司会(白壁) ここ数年間,ulcerative colitis潰瘍性大腸炎―idiopathic proctocolitisの治療に著しい進歩はない,しかし,治療の重点の置き方が固まってきたので,以前よりも患者さんは恩恵は受けている.

 今日はその治療の重点の置き方を中心にお話をうかがうということです.型のように食事療法を行なう,出血とか貧血に対しては対処する,輸液,それに電解質は十分に補充する,emotional factorも考慮する,下痢止めを与える,抗生物質,ステロイド,免疫抑制剤を与える,などなどがあります.試みられたというような治療を加えますと,大腸を酸素にさらす,熱する,冷やす,ミネラル・ウォーターを注入する,線維素溶解物質を入れるなどがあったようです.

 まじめな治療として,発症の早期に,血管造影のときにステロイドを動脈注射するとか,直腸,S字状結腸領域のものにはステロイド坐薬を与えるというような工夫も行なわれています.

 最近,潰瘍性大腸炎をidiopathic proctocolitisという名前に総括されてきております.この点,白鳥先生.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?