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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻8号

1976年08月発行

文献概要

研究

染色法による胃隆起性病変の鑑別診断

著者: 井田和徳1 奥田順一1 窪田吉克1 河村哲子1 山内英通2 小島輝三2 渡辺文彦2 宮田幾之輔3

所属機関: 1岐阜歯科大学付属村上記念病院第2内科 2山内胃腸病院 3東海中央病院内科

ページ範囲:P.1041 - P.1047

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 胃ポリープとして一括される良性上皮性腫瘍には組織型の異なる種々の病変が混在しており,そのなかにはたとえば癌化の可能性において差がある1)~6)など,biologic behaviorを異にするものが含まれている.しかし,いわゆる胃ポリープに対するX線,内視鏡による従来の臨床診断は良・悪性の鑑別を主目的にしており,その組織所見までたち至った質的診断はほとんど考慮されていないというのが現状であろう.

 1972年,われわれの開発した生体染色法により,胃ポリープのあるⅠ群と隆起性異型上皮がメチレンブルーに染色されることを内視鏡的に観察し,報告した7).この現象は染色という一種の機能面からみたとき良性上皮性腫瘍に異なる2群が存在していることを意味している.今回この染色性の差を組織学的並びに組織化学的に解明し,内視鏡による上皮性良性隆起性病変の質的診断に資すべく本研究を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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