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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻8号

1976年08月発行

文献概要

症例

Turcot症候群の1剖検例

著者: 川波喬1 大野正人1 松浦啓一1 副島徹2 北村勝俊2 渡辺英伸3 遠城寺宗知3

所属機関: 1九州大学医学部放射線科 2九州大学医学部脳神経外科 3九州大学医学部病理学教室第2講座

ページ範囲:P.1075 - P.1082

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 家族性大腸ポリポージスは古くから遺伝的素因(常染色体優性遺伝)により大腸にびまん性に無数の腺腫性ポリープを発生し,しかもきわめて高い癌化率を有することで知られている.一方大腸腺腫性ポリポージスに他部位の腫瘍を合併する例の報告がなされ,これらが家族性大腸ポリポージスから独立した1つの疾患か否か注目されている.大腸腺腫性ポリポージスに中枢神経系腫瘍を合併するものは,1959年Turcotらにより報告されたのが最初であり14),以後,Turcot症候群と呼ばれている.われわれは,大腸腺腫性ポリポージスに大脳膠芽腫および回腸細網肉腫を合併した例を経験し,剖検によって確かめえたので,これを報告するとともに,文献的考察を加えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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