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文献詳細

雑誌文献

胃と腸11巻9号

1976年09月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 研究

切除胃よりみた若年者胃癌

著者: 安井昭12 石橋千昭2 一瀬裕12 平瀬吉成12 三宅政房12 吉田光宏2 城所仂2 村上忠重3

所属機関: 1越谷市立病院消化器外科 2順天堂大学医学部消化器外科 3東京医科歯科大学第1外科

ページ範囲:P.1195 - P.1202

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 近年胃癌の診断技術向上にともない,早期胃癌の発見率が著しく向上し,外科的にも胃癌根治手術の方法も著しい進歩をとげた.とくに胃癌に対するリンパ節廓清術の確立は最右翼でその予後は驚くべき好成績を得ている,しかしこれを年齢別,特に若年者胃癌を取り上げてみると必ずしも上記のように良い成績とはいい難い.その理由は発生数が少なく,しかも年齢が若いということで普段から健康管理がおろそかになっていること,ことに日本において急速な発展を遂げた胃の集団検診の対象外になっているということで胃癌が見逃がされ,若い命を断っているのが現況10)16)22)である.

 若年者胃癌について1848年Dittrich24)が報告して以来多数の報告が見られるが,本邦では,1894年滝口1)の25歳の男子の例が最初の報告であるとされている.最年少例の報告は,1859年Wiederhofer25)の生後16日の新生児であり,本邦では1964年三浦11)の報告した1歳11カ月の女児である.ここではわれわれも若年者胃癌の年齢を満30歳未満14)20)と仮りに定めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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