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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻1号

1977年01月発行

今月の主題 胃癌―5年以後の再発

主題

胃癌術後5年経過後の再発―組織像の推移を中心に

著者: 遠城寺宗知1 古賀淳1

所属機関: 1九州大学医学部病理学教室第2講座

ページ範囲:P.33 - P.40

文献概要

 癌腫の発育状況は例により,また同一例でも時期によって異なり,それは癌腫の組織像によってかなりよく表現される.このことは今井3)およびその門下の一連の研究により明確に指摘され,種種の証拠が提示されたが,その中で遠城寺および今井・遠城寺は胃癌を含む種々の臓器癌の同一例における手術時と剖検時の組織像を比較観察し,多くの例において組織像の時期的推移を表わす若干の差異を確認した1)2)4).しかしこれらの例の大部分では手術より剖検までの期間が短く,したがって手術標本と剖検標本とにおける組織像の差にも著しいものは期待できなかった.

 以後,十数年の間に胃癌の診断,治療は急速な進歩を遂げ,5年生存率の上昇とともに,5年経過後再発する例にもかなり遭遇するようになった.そこで,これらの例の手術時(原発癌)と再発・死亡時(再発癌)との組織標本を同時に検索し,長期間における組織像の推移を検討せんとするものである.なお同じ時期の例で術後短期間で再発死亡し,剖検されたものについても,手術,剖検両標本を観察し,晩期再発例のそれと比較した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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