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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻1号

1977年01月発行

今月の主題 胃癌―5年以後の再発

主題

胃癌の再発時期を左右する諸因子について

著者: 草間悟1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.61 - P.72

文献概要

 時間学chronologyとはある期間の時間を測定し,この間に起こった出来事の時期を正しく記載し,発生の順に従って配列する学問であると定義されている6)8).癌によって死亡した患者をこのような立場からみると,発癌,転移の発生,臨床症状の発現,治療─多くの場合手術─,再発,死亡などの出来事が起こっているが,これらが時間的にみてどのように配列されるか,またこれらの出来事のあいだの期間がどのようになっているか,さらにこれらの期間相互のあいだの関係,ならびにこれらの期間が何によって規定されているかなどについてはほとんど知られていない.著者はこれらのことを研究の対象とする領域の学問を癌の時間学と考え,独自の道を歩んできた.

 第27回胃癌研究会において,「術後5年以上経過後再発した症例の検討」がとりあげられたことは癌の時間学の研究の端緒を開くものとしてきわめて重要な意義をもっている.この主題の司会を依嘱されアンケート調査を担当する機会を与えられたことは著者にとって大きなしあわせであった.アンケート調査の実施については当番世話人小山善之先生をはじめ国立病院医療センター木村正博士,安達秀治博士らの協力を得た.またアンケートには48施設から貴重なデータが提供された.アンケートの集計成績は第27回胃癌研究会において著者によって報告され,その詳細な記録は胃癌研究会記事として近く発刊される予定である.ここでは著者がこの成績をどのように読みこの調査から何が得られたかを私見を交えて述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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