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学会印象記
1er symposium international d'endoscopie digestiveに出席して
著者: 相馬智1
所属機関: 1杏林大学第1外科
ページ範囲:P.120 - P.121
文献購入ページに移動 第1回国際消化器内視鏡シンポジウムは,1976年10月28,29日の両日,パリの凱旋門に近いPorte-MaillotのPalais des Congrèsに約600名の出席者を集めて開催された.学会の名誉会長にProf. C. Debrayが推され,会長はDr. P. Housset,Sectréteur generaleはDr. C. Ligouryである.実際に会議の立案,運営を主宰したのは,Dr. Ligouryであり名誉会長および会長はともに形式的なものであったようである.時あたかも日本消化器病,消化器内視鏡,胃集検の合同秋季大会と重なったことや,正式なinformationが日本医学会当局になかったこともあり,日本からの出席者は,昭和大藤が丘病院藤田(力)氏,東京都癌検診センター岡田氏と私の3名だけであった.したがって本会議の性格その他について,十分知られていないと思われるので,その概略をのべ報告にかえる次第である.
本会議の意義は,フランスにおいて開催された国際的規模の第1回内視鏡学会であるということであろう.御存知の如くフランスの内視鏡学会が消化器病学会から独立したのは,わずか7年前であり,保守的な国情から,内視鏡を専門とする若手学者が一人前の学者としてその真価を認められないといった政治的な背景が,今回の学会を生む1つのきっかけだったようである.隣国の西独において盛んにおこなわれるinternational workshopに対する対抗意識が,その底に流れていることは否定できない.それだけに,この国際会議を立案し外国から10名の学者を招待し主宰した陰の立役者Dr. Ligouryの評価はフランス国内においていやが上にも上ったといえよう.
本会議の意義は,フランスにおいて開催された国際的規模の第1回内視鏡学会であるということであろう.御存知の如くフランスの内視鏡学会が消化器病学会から独立したのは,わずか7年前であり,保守的な国情から,内視鏡を専門とする若手学者が一人前の学者としてその真価を認められないといった政治的な背景が,今回の学会を生む1つのきっかけだったようである.隣国の西独において盛んにおこなわれるinternational workshopに対する対抗意識が,その底に流れていることは否定できない.それだけに,この国際会議を立案し外国から10名の学者を招待し主宰した陰の立役者Dr. Ligouryの評価はフランス国内においていやが上にも上ったといえよう.
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