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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻10号

1977年10月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 症例

胃のBizarre Leiomyoblastomaの1例

著者: 小坂井守1 安田寛基1 山口宜伸2 岩倉集2 島田孝3 山口明志4

所属機関: 1帝京大学医学部第2病理学教室 2日本大学医学部第2外科教室 3志村橋外科病院 4山口内科病院

ページ範囲:P.1339 - P.1344

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 胃にみられる非上皮性悪性腫瘍には,悪性リンパ腫がその約半数を占め,次いで平滑筋肉腫が多いといわれる.1962年,A. P. Stout1)は,胃に発生した平滑筋腫瘍を検討し,その中で臨床的に良性経過をたどり,組織学的には腫瘍細胞が非常にbizarreな形態を呈するものを選んだ.これらの腫瘍は,従来neurogenous tumor,vascular tumorなどの範疇に入れられていたものであるが,これをBizarre Leiomyoblastomaと名付け,その組織学的特徴を述べた.本邦では,1965年に久保らが3例の同症例を報告2)して以来,第62回日本病理学会で田中らが発表した5例を含めても20例に足りない.今回,われわれは,26歳という若年の男性例を経験したので,組織学的特徴および電顕的所見を中心として,文献的検討も加え報告する.

症例

 患 者:26歳 男性 事務員

 既往歴・家族歴:特記すべきことなし

 主 訴:空腹時の心窩部重圧感と嘔気

 現病歴・入院時所見:1976年2月に主訴が増強したため来院.痩身だが,結膜の貧血などはない.また,主な臨床検査成績は,赤血球495×1044白血球8,200,HB95%,血圧120~80であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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