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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻11号

1977年11月発行

今月の主題 腸結核(1)―小腸を主として

主題

腸結核の病理

著者: 渡辺英伸1 遠城寺宗知1 八尾恒良2

所属機関: 1九州大学医学部病理学教室第2講座 2九州大学医学部第2内科学教室

ページ範囲:P.1481 - P.1496

文献概要

 腸結核はほとんどが人型結核菌に原因しており,従来肺結核の合併症として問題にされてきた.すなわち,抗結核剤が使用される前には,剖検例の肺結核症患者のうち,28%から90%に腸結核の合併があり2)9)14)17),X線検査で肺結核を有する患者には6.3%から38%に腸結核が見られている7)11.しかも腸結核の出現率は肺結核の進行程度に比例し11),滲出型,空洞性また崩壊型の肺結核のときに高い2)9).これは喀痰中の結核菌が嚥下され,管腔性に腸病変を形成するからである.腸結核の発生はこの管腔性経路がほとんどで,血行性やリンパ行性によることはごくまれである8)9)13)

 一方,結核症が肺にない「原発性腸結核」例も古くから報告されている.それは剖検例腸結核の中で,4.8%ないし5.1%とされていた17).しかるにHoonら(1950)は55例中9例(15.5%)に,Wigら(1961)は67例中37例(55.2%)に,さらに近年,丸山ら(1975)は12例中10例に原発性腸結核を見ている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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