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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻11号

1977年11月発行

症例

小腸に多彩な潰瘍を認めた腸結核の1例

著者: 武田儀之1 中山卓1 下田悠一郎1 北川晋二1 西原春實1 松井正典1 松浦啓一1 渡辺英伸2

所属機関: 1九州大学医学部放射線科 2九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1519 - P.1525

文献概要

 クローン病の鑑別すべき疾患として,腸結核が再び問題にされるようになった.抗結核剤の開発に伴い,結核の症例は少なくなったとはいえ,本邦においては,腸の潰瘍性病変をきたす疾患のうち腸結核が占める比率はまだ少なくない.われわれは,最近,腸閉塞をきたしたため手術を施行し,病理学的検索を行なうことができた腸結核の1例を経験し,小腸の病変についてX線学的に検討したので報告する.

症例

 患 者:M. M. 56歳 男性

 主 訴:腹部膨満感,下腹部痛

 前病歴・家族歴:特記すべきことなし

 現病歴:1975年10月末より食欲不振,便秘をきたすようになり,その後,腹部膨満感および下腹部痛を伴うようになった.1976年1月5日,某医受診し,経口腸および注腸X線検査を受け,小腸および大腸に異常を指摘されて,1976年2月10日,精査のため当科へ入院した.なお,1975年10月より入院時までに約8kgの体重減少をきたしていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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