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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻2号

1977年02月発行

文献概要

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海外文献紹介「胃を侵す転移性疾患」

著者: 小林世美1

所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科

ページ範囲:P.204 - P.204

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Metastatic Disease Involving the Stomach: L.S. Menuck, J.R. Amberg (Amer. J. Digest. Dis. 20: 903~913, 1975)

 胃を侵す転移性疾患は珍しく,臨床上困難な問題であるが正しい診断と治療により症状の緩和と延命が時に可能である.この報告では1,010の悪性腫瘍剖検例中に悪性腫瘍が胃に転移した17例を発見した.原発の腫瘍は黒色腫,肺癌,乳癌,膵臓癌,睾丸および卵巣癌等で,黒色腫以外は一般的によくみられるものだった.17例中10例は臨床的に分らなかった.他の7例は上腹部痛,下血,貧血等を示した.17人中13人は上部消化管X線検査をうけた.3人は異常なしで,剖検で小さい粘膜下侵襲を発見した.異常のあった10人中5人は単発性のポリープ様病変を有し,うち3例は潰瘍を伴っていた.他の3例は胃内に多発性の侵襲部位があり,残りの2例では“linitis plastica”様の浸潤性病変だった.血行性転移は通常胃の粘膜下組織にうえつき,大きくなると隆起型の粘膜下腫瘤になるか,あるいは粘膜下織内で限局性の扁平隆起として拡がることもある.しばしば粘膜側に進展し潰瘍化する.“linitis plastica”型は乳癌からの病巣の約50%にみられる.他の場合には稀だ.黒色腫の場合,多発性の小潰瘍腫瘤で,bulls eyeまたはtargetの形を呈すといわれる.他でもみられるが黒色腫に多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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