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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻3号

1977年03月発行

文献概要

今月の主題 直腸肛門部病変 主題

肛門癌の病理

著者: 隅越幸男1 岡田光生1 住江正治1 坂田寛人1 石田裕1 有輪六朗23 高野正博4

所属機関: 1社会保険中央総合病院大腸肛門病センター 2社会保険中央総合病院病理 3東京都立大久保病院病理 4熊本市民病院大腸肛門病センター

ページ範囲:P.317 - P.326

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 大腸癌取扱い規約によると,肛門管というのは,恥骨直腸筋付着部上縁より肛門縁までの管状部と規定されている(Fig. 1).肛門癌はこの肛門管およびその周辺に発生した癌ということになる.

 肛門癌を述べるにあたっては,肛門管の発生と解剖を知ることが重要である.肛門は種々の上皮が入りまじっている.とくに歯状線の上方の部分はcloacaから分かれた肛門膜がその発生源で,胎生9週頃に外胚葉性の皮膚部分が挙上して生ずる重層扁平上皮層と連絡する.その長さは個人差があって一定しない.肉眼的には光沢のある微細な膜様に見える部分1)2)で,ややうす紫色を呈し,組織学的には尿道上皮に似た移行上皮で,重層立方上皮であるが,実際にはこの部分は円柱上皮,扁平上皮なども入り組んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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