文献詳細
文献概要
今月の主題 直腸肛門部病変 主題
肛門癌の病理
著者: 隅越幸男1 岡田光生1 住江正治1 坂田寛人1 石田裕1 有輪六朗23 高野正博4
所属機関: 1社会保険中央総合病院大腸肛門病センター 2社会保険中央総合病院病理 3東京都立大久保病院病理 4熊本市民病院大腸肛門病センター
ページ範囲:P.317 - P.326
文献購入ページに移動肛門癌を述べるにあたっては,肛門管の発生と解剖を知ることが重要である.肛門は種々の上皮が入りまじっている.とくに歯状線の上方の部分はcloacaから分かれた肛門膜がその発生源で,胎生9週頃に外胚葉性の皮膚部分が挙上して生ずる重層扁平上皮層と連絡する.その長さは個人差があって一定しない.肉眼的には光沢のある微細な膜様に見える部分1)2)で,ややうす紫色を呈し,組織学的には尿道上皮に似た移行上皮で,重層立方上皮であるが,実際にはこの部分は円柱上皮,扁平上皮なども入り組んでいる.
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