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早期胃癌肉眼分類の再検討を読んで
著者: 大原毅1
所属機関: 1東京大学第3外科
ページ範囲:P.335 - P.335
文献購入ページに移動 早期胃癌の肉眼分類に関してもっとも注意しなければならないことは,1つの早期胃癌を見たときに,観察者によって異なる肉眼分類を行ない,またこれが最終分類となるために混乱を起こすことである.現にⅡb,Ⅱa+Ⅱc,Ⅱc+Ⅱa,Ⅲ,Ⅱc内の潰瘍(瘢痕)の有無などについて混乱が起こっている.これはある意味では避けられないことであるが,できうる限り同一の病変は同一の分類にいれるように努力するべきである.
私は,肉眼分類のみによってはこの統一はなしえないと考える.したがって肉眼分類は観察者によって異なることはやむをえないこととして,これを組織学的レベルで補正するとよいと思う.すなわち,組織標本上にて,癌が周囲正常粘膜より少しでも盛上っていればⅡa,全く平坦であればⅡb,少しでも凹んでいればⅡcとし,周囲正常粘膜の厚さの2倍をこえる隆起はⅠ型とする.
私は,肉眼分類のみによってはこの統一はなしえないと考える.したがって肉眼分類は観察者によって異なることはやむをえないこととして,これを組織学的レベルで補正するとよいと思う.すなわち,組織標本上にて,癌が周囲正常粘膜より少しでも盛上っていればⅡa,全く平坦であればⅡb,少しでも凹んでいればⅡcとし,周囲正常粘膜の厚さの2倍をこえる隆起はⅠ型とする.
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