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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻3号

1977年03月発行

文献概要

症例

男子胃にみられた悪性絨毛上皮腫と腺癌の合併した1例―その文献的考察

著者: 杉山譲1 千葉昌和1 猪野満1 菊地惇1 横内正典2

所属機関: 1山形県立河北病院外科 2弘前大学医学部第2外科

ページ範囲:P.371 - P.376

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 性器外に原発する悪性絨毛上皮腫(以後絨腫と省略)は癌,肉腫等の他の悪性疾患に比べればはなはだ稀なものといえよう.これらのうち胃原発の絨腫となるとさらに少なく,ほとんど経験する機会にめぐまれない.一方,絨腫は極めて転移をきたし易く,特に女子では分娩1),流産,胞状奇胎等2)3)に,男子では睾丸腫瘍4)5)に続発したものがあり,これらとの鑑別が実際にはなかなかむずかしいことが多い.しかし転移性絨腫を例にとっても胃に転移するのは非常に少ないといわれている6)7).最近われわれは45歳,男子胃に絨腫と腺癌を合併した1例を経験した.そこで分娩,流産,胞状奇胎などの機会の多い女子例を除外し,胃およびそれに近接した大網に発生した男子絨腫例について少しく文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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