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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻4号

1977年04月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 研究

試作胆道ファイバースコープFujinon FT-SFの使用経験

著者: 佐藤良昭1 渡辺豊1 井出哲也1 仲吉昭夫1 中本実1 高橋恒夫1 川村統勇1 三穂乙実1 長尾房大1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第2外科

ページ範囲:P.521 - P.527

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 胆道系疾患の診断は,近年DIC法,ERCPの普及に伴い,X線による診断成績向上の著しい進歩をみたが,造影法による診断のため,いまだ病変の見誤り,見落とし等の問題が残されている.一方,胆道系疾患の外科治療面においても,遺残結石および肝内結石症など初回手術で完治し得ない症例が実際に見られる.これらの症例に対する胆道ファイバースコープの導入は,近年ファイバースコープの性能向上に伴い,有用な方法であることが評価されるようになってきた.

 胆道鏡開発の歴史をみると,1923年Bakes1)が最初に胆道内視を試み,その後1937年Hollenberg2)らとBabcock3)が胆囊外瘻造設患者に硬性膀胱鏡を使って胆囊内観察,結石除去に成功した.ただし,これらは硬性鏡であったため,胆道の観察には,実際上不合理な面が多く,実用化には至らなかった.1958年Hirschowitz4)がgastroduodenal fiberscopeを考案したのがきっかけとなり,fiberscopyが内視鏡分野で確立された.1965年にはShore5)らが初めて胆道ファイバースコープを開発し,胆道疾患診断の分野に可撓性のあるファイバースコープが出現した.本邦でも1967年に田,西村6)らが,さらに山川7)らが国産のファイバースコープを開発し報告している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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