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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻5号

1977年05月発行

今月の主題 高齢者の胃病変の特徴

主題

加齢と消化管―とくに病理組織学的検討について

著者: 常岡健二1 平川恒久1 松下克己1 若林伸幸1 成田淳夫1 斉藤靖1 小峰征彦1 小林正文1 瀬底正彦1

所属機関: 1日本医科大学第3内科

ページ範囲:P.577 - P.590

文献概要

 発育,成長,成熟につづく生理的現象の終末である老化は,身体諸臓器におけると同様,消化器系にも加齢とともに必然的に存在するものと考えられる.しかし,消化管は他臓器に比べて,食生活や生活環境に影響される面が大きく個人差も著しいので,消化管のいわば疲労によると思われる機能的,形態的変化を一概に老年者特有の変化としてきめつけるわけにはいかない.加齢に伴う変化は,神経系,心血管系,肝・胆・膵,呼吸器,造血器,代謝内分泌系等について,数々の報告があり論議されている.消化管各部位において個々の変化を論じた報告はあるが,ヒトの全腸管にわたり,加齢的変化を論じたものはまだない.そこで今回の加齢と消化管についての基礎的検討にあたって,病理組織学的検索を食道・胃・十二指腸・小腸・大腸の全腸管にわたって行なうために,剖検例および生検例を使用し光顕的検索を中心に,かつ電子顕微鏡学的所見を加え,さらに加齢ばかりでなく,これと比較される動脈硬化についても検討を加えることにした.

 なお,本文は昨年(1976年)秋の第18回日本消化器病学会秋季大会(目本消化器内視鏡学会,日本胃集団検診学会合同)における特別講演のうち,形態面からの病理組織学的検討に関するものであり,機能面からの検討は別に発表する予定である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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