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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻7号

1977年07月発行

文献概要

今月の主題 残胃病変 主題

残胃の悪性病変―切除例を中心に

著者: 高木国夫1 大橋一郎1 今田敏夫1 霞富士雄1

所属機関: 1癌研究会附属病院外科

ページ範囲:P.903 - P.917

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 胃診断学のめざましい進歩により,近年早期胃癌が数多く発見されてきており,胃癌の治療成績も,早期癌のふくまれる率が高くなるにつれて,向上を示してきている.胃癌の治療成績の向上と共に,長期にわたるfollow upに際して,残胃の診断も重要な問題を含んできている.残胃の癌が再発と共に異時性に別個の癌の発生も考慮される必要があろう.従来は,残胃の悪性病変,すなわち残胃に新しく癌が発生してくる場合,初回手術が良性病変(胃潰瘍,ポリープ,胃炎)によるものであり,良性疾患に対する胃手術後の残胃悪性病変についての報告が山形ら1)の集計では,1961年までに欧米で196例であって,わが国では1963年までわずか14例であったが,近年増加している2)

 初回が胃癌である場合には,残胃の癌が再発によるものか,新しく別個の癌かの判定が困難な場合もあって,とくに残胃にみられる癌が進行癌であるものでは,両者の鑑別が困難な場合もあって,かかる問題に関しての報告は少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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