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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻7号

1977年07月発行

症例

結果的に5年間経過観察された胃細網肉腫の1症例

著者: 利根幸三1 古沢毅2 柴田興彦2 下田忠和3

所属機関: 1利根内科 2古沢胃腸病院 3慈恵会医科大学病理

ページ範囲:P.947 - P.953

文献概要

 胃疾患診断学の進歩により,胃の悪性リンパ腫の診断は従来より容易となったが,その早期診断については今なお困難な点が多い.われわれは初診時良性の多発性胃潰瘍と診断し,その後約5年間経過観察を行ない,結果的に悪性リンパ腫(細網肉腫)であった1症例を経験したので報告する.

症例

 患 者:77歳(手術時)女性,農業

 主 訴:心窩部痛,吐血,下血

 家族歴:特記すべきものなし

 既往歴:高血圧.40歳頃より食欲不振,胃部膨満感等の胃症状を訴えていた.

 現病歴:1970年3月,下血,顔面浮腫,貧血,脱水等にて来院検査の結果多発性潰瘍として3カ月入院し,保存的療法にて軽快退院した.その後1972年9月と1973年8月にも下血をきたし,入院治療を繰り返している.初回入院時は多発性胃潰瘍と診断し治療を行なったが,その後の経過で,胃X線,内視鏡所見が多彩な変化を示したことより,臨床的に悪性リンパ腫を疑った.しかし生検の結果では組織学的に悪性細胞が認められず,RLHとして経過を観察した.1975年3月大量の吐血,下血にて緊急入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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