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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻8号

1977年08月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の浸潤範囲・深達度の判定(1) 主題

レントゲノグラムからみた浸潤範囲と深達度の判定―とくに深達度にポイントをおいて

著者: 政信太郎1 西俣寛人1 入佐俊昭1 西俣嘉人1 堀雅英1 徳留一博1 古賀大士1 中島義行1 谷山茂樹1 西俣寿人1 森秀美1 柳田勤1 牧猛1 美園俊明1 山筋忠1 石神信治1 佐伯啓三1 中馬康男1 橋本修治1 中原信昭2 江平征郎3

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科 2鹿児島市立病院消化器内科 3国立鹿児島病院内科

ページ範囲:P.1017 - P.1030

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 近年,胃癌の診断も質的診断だけでなく,量的診断すなわち浸潤範囲と深達度の診断まで要求されている.特に浸潤範囲の診断は,切除範囲の決定に際し,特に必要であり,Ⅱbおよび類似Ⅱbを含めて,そのX線診断,内視鏡診断に関する多くの研究報告がみられる.一方,深達度に関しては臨床的にその必要性に乏しく,研究はしばらく低迷していたが,最近臨床的な面でpm癌が注目され,この方面へのアプローチも活発になってきた.

 X線診断は粘膜表面の凹凸および壁の伸展性の診断である.したがって,癌の深達度をX線学的に診断するには,壁内深部への癌の進展状態を表面の凹凸,あるいは伸展性の異常(硬さ)として反映させ,これを介して診断することになる.これまで陥凹性癌の深達度診断は,陥凹周辺の所見との関係に重点がおかれてきた.すなわち,レリーフ,周堤,結節などの所見と深達度との関係にっいては,これまで多くの研究が報告され,その成績もすでに明らかにされてきている.著者らは今回は辺縁の所見に乏しいものを対象に陥凹部だけをとりあげ,深達度診断の手がかりとなる所見について考察してみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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