文献詳細
胃と腸ノート
実験胃癌犬における腸上皮化生の発生とその診断
著者: 鈴木茂1 橋本忠美1 河内卓2 松倉則夫2
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター 2国立がんセンター生化学部
ページ範囲:P.1072 - P.1072
文献概要
このように腸上皮化生の病態が細かく判明してくるにつれて,次にわれわれの興味を引くものは,この病変の発生と経過であり,さらに胃癌との関係である.後者の問題は前者の発生と経過がある程度解明されてから考慮したほうが分析しやすい.しかしこの腸上皮化生の発生と経過を入胃で研究することはそれほど容易とは思われない.それはこの病変が内視鏡的に診断できるまでには相当の時間的経過が必要であるし,胃粘膜上にある面積をもって拡がるまでにはさらに長年月の経過が必要であるように現状では推測されるからである.
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