文献詳細
今月の主題 胃癌の浸潤範囲・深達度の判定(2)
序説
文献概要
胃生検が進歩したので最近はあまり表立っていわれなくなった言葉に,「存在診断と確定診断」がある.私どもが胃の診断学に充盈像と胃液検査とシンドラーの半可僥性胃鏡で取り組んだ頃は,今から思えば存在診断がやっとで,確定診断という言葉すらなかった.いな存在診断すなわち確定診断だと思い上っていた.
X線検査法に二重造影法が導入され,胃鏡の替りに胃カメラが用いられるようになったが,まだ生検は不可能で,せいぜい細胞診で満足しなければならなかった時代がしばらく続いた.胃に病変があることを疑うことが第1段階で,それを二重造影,胃カメラ,細胞診で何とか良性か悪性か決める,こうした手順を取りうる時期になって,上述の存在診断と確定診断の違いなり意義なりがようやくクローズアップされるようになった.
X線検査法に二重造影法が導入され,胃鏡の替りに胃カメラが用いられるようになったが,まだ生検は不可能で,せいぜい細胞診で満足しなければならなかった時代がしばらく続いた.胃に病変があることを疑うことが第1段階で,それを二重造影,胃カメラ,細胞診で何とか良性か悪性か決める,こうした手順を取りうる時期になって,上述の存在診断と確定診断の違いなり意義なりがようやくクローズアップされるようになった.
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