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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻9号

1977年09月発行

今月の主題 胃癌の浸潤範囲・深達度の判定(2)

序説

胃癌の浸潤範囲・深達度の判定―本号企画にあたって

著者: 村上忠重1

所属機関: 1東京医科歯科大学第1外科

ページ範囲:P.1153 - P.1156

文献概要

 胃生検が進歩したので最近はあまり表立っていわれなくなった言葉に,「存在診断と確定診断」がある.私どもが胃の診断学に充盈像と胃液検査とシンドラーの半可僥性胃鏡で取り組んだ頃は,今から思えば存在診断がやっとで,確定診断という言葉すらなかった.いな存在診断すなわち確定診断だと思い上っていた.

 X線検査法に二重造影法が導入され,胃鏡の替りに胃カメラが用いられるようになったが,まだ生検は不可能で,せいぜい細胞診で満足しなければならなかった時代がしばらく続いた.胃に病変があることを疑うことが第1段階で,それを二重造影,胃カメラ,細胞診で何とか良性か悪性か決める,こうした手順を取りうる時期になって,上述の存在診断と確定診断の違いなり意義なりがようやくクローズアップされるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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