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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻9号

1977年09月発行

今月の主題 胃癌の浸潤範囲・深達度の判定(2)

主題

二重造影像による動的観察からみたⅡc型病変の深達度診断

著者: 五十嵐勤1 斉藤光正1 内海幹郎1 角田俊平1 安斉幸夫1 児玉健夫1 神尾義彦1 荒井清一1 鈴木伸一1 植木洋司1 坂本輝明1 河原田保佑1 片倉幹夫1 福原捷夫1 寺内紀夫1 佐藤英典1 栗原陽一1 三浦憲二1

所属機関: 1福島医科大学第2内科

ページ範囲:P.1187 - P.1200

文献概要

 肉眼的所見での深達度診断の指標6)11)13)14)17)18)25)27)はいくつか指摘されている.そういう所見は,二重造影像か圧迫像でX線写真にあらわせばよい.しかし,指標がない病変もある.粘膜ひだ集中(瘢痕)をもつⅡc型のうち,病変の一部でsmに浸潤している例がそのひとつである.粘膜面の凹凸では深達度診断ができないものは,胃壁硬化を手がかりにしなければならない病変ということになる.

 胃壁硬化のX線所見には,充盈像と二重造影像における辺縁の伸展不良,硬化,硬直と表現される所見がある.ところが,胃中央部病変については,二重造影像は粘膜面の凹凸の様相を忠実にあらわすことができるが,軽度の胃壁硬化を診断する能力は少ない.また,圧迫像では,硬化部を,硬化の程度と圧迫の強さの程度との組み合わせの上で,造影剤がぬけた所見としてあらわすことができる.しかし,技術を要し,またそのX線所見上硬化の程度の数量化が難しい.圧迫像は経験的な要素が多分にあるというわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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