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文献詳細

雑誌文献

胃と腸12巻9号

1977年09月発行

文献概要

胃と腸ノート

西ドイツにおける内視鏡的乳頭切開術の現況(1)

著者: 浦上慶仁1

所属機関: 1徳島大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1228 - P.1228

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 内視鏡的乳頭切開術(Endoscopic papillotomy,以下EPTと略す)は総胆管結石の非観血的治療法として開発され,1974年,Kawai et al.1),Classen et al. 2),相馬ら3)などによりその臨床成功例が報告された,その後本邦,西独,米国などを中心にEPTの検討および報告例が増加している.本法は現在,消化管ポリペクトミー,内視鏡下の止血,内視鏡による消化管内異物除去など,いわゆるoperative endoscopyの分野でのトピックスとなっている.EPTは特に西独において爆発的ともいえる勢いで施行されているが,筆者は1976年5月より1年間,西独,Reinhard-Nieter-Krankenhausで内視鏡検査,ERCPおよびEPT等に従事するかたわらErlangen group, Prof. Safrany(MUnster)等を訪問し,かれらのEPTの手技および症例を見学する機会を得た.今回,これらの体験をもとに西独におけるEPTの現況を紹介する.

EPTの施行例数

 Table 1に西独の各施設におけるEPTの施行例数および切開成功例数を示す.1,499例にEPTが試みられ,1,403例(93.6%)に切開が成功している.注目すべきことは,Prof. Safranyの症例数がとびぬけて多く,545例と西独の総施行例数の1/3以上を占めている.筆者がProf. Safranyのもとに滞在したおり,彼は精力的にEPTにとりくみ,連日,ERCP6~8例,EPT1~2例を施行していたが,その症例数の豊富さには感心した.筆者の勤務していた施設では98例にEPTを試み,90例(91.8%)の切開に成功している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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