文献詳細
症例
乳頭状巨大食道腫瘤の1例
著者: 浅野伍朗1 山田展敬1 石神邦孝1 前田宏2 平川恒夫2 田口武人2
所属機関: 1日本医科大学病理学教室 2日本医科大学第3内科教室
ページ範囲:P.1251 - P.1255
文献概要
症例
患 者:69歳 男性 無職
既往歴:梅毒(44歳),肺結核(51歳),胃潰瘍(55歳)
現病歴 1970年8月,耳痛,喉頭痛を訴えて治療を受けたことがある.その翌年,背部に痛みを感じるようになり,さらに嚥下障害が加わり,6月には全く食事の摂取が不可能となる.その上,吐血が加わり,本院外来を訪れ,内視鏡検査で食道にポリープ状腫瘤が発見され(Fig. 1),組織診の結果では扁平上皮癌と診断され日本医大常岡内科に入院した,入院時諸検査では,X線検査で食道中央部に乳頭状の巨大な腫瘤を認め(Fig. 2),その他の検査結果ではTable 1に示すように血液一般検査で,中等度から高度の貧血,糞便の潜血反応陽性,Wa-R陽性(ガラス板法,TPHA法)の他著変なく,入院後,腫瘤摘出不能ということで胃瘻造設術を受けたが3ヵ月後に肺炎を併発して死亡した.
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