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今月の主題 胃癌の発育経過 主題症例 A.胃癌の発育経過(形態の変化を中心として) 1)隆起型胃癌の発育経過
Case 3 異型上皮巣として4年3カ月間観察され,Borrmann1型癌に進展した症例
著者: 八尾恒良1 渡辺英伸2
所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第2病理
ページ範囲:P.14 - P.15
文献購入ページに移動患 者:宮○三○ 60歳 男
症例はTable 1の如き検査歴を有した.
客観資料の呈示:Fig. 1~12参照
この症例の経過は以下の如くまとめられる.
1)胃角部後壁に最大径約10mmの2コの隆起性病変が認められた.
2)2コの病変のうちの1コ(病変1:Fig. 1の太矢印)は,経過を追って徐々に増大し初回検査より,4年3ヵ月後にはBorrmann 1型癌となった.他の1コ(病変2:Fig. 1の細矢印)は経過中,その大きさはほとんど不変で切除胃の検索にてもgroup Ⅲの病理像を示した.
3)術前3年,術前2年3カ月の時点で病変1より採取された生検標本では,通常みられるgroup Ⅲの異型上皮巣とは異なった異型細胞群より構成されていた.
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