文献詳細
文献概要
今月の主題 胃癌の発育経過 主題症例 A.胃癌の発育経過(形態の変化を中心として) 2)陥凹型胃癌の発育経過
Case 10 9年5カ月で胃ポリープが癌化脱落してⅡa+Ⅱcになったと考えられる症例
著者: 奥田茂1 今西清1
所属機関: 1大阪府立成人病センター消化器内視鏡科
ページ範囲:P.28 - P.29
文献購入ページに移動Table 1に示されるように,この9年5カ月の間にX線10回,内視鏡13回,生検または細胞診を9回と,丹念に検査して追跡した.1972年(術前1年)の胃X線では「ポリープ不変」と報告されており,隆起の脱落は最後の1年間に起こったことになる.
Fig. 1(新鮮切除胃標本)で病変部は臼状の肉眼所見を有する.陥凹の大きさは1.4×1.3cm.・レーペ像(Fig. 2)では,癌巣は粘膜筋板を越えてmassiveに粘膜下層に浸潤している.狭義のⅡa+Ⅱc(著者の臼型)早期胃癌の初期像である.組織型は高分化型腺癌で深達度sm,リンパ節転移なし.切除胃そのままの所見をFig. 3(手術直前胃カメラ像)にも認める.
掲載誌情報