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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻1号

1978年01月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の発育経過 主題症例 A.胃癌の発育経過(形態の変化を中心として) 2)陥凹型胃癌の発育経過

Case 12 胃カメラで悪性サイクルを完全に一周したことを追跡した症例

著者: 小黒八七郎1

所属機関: 1国立がんセンター

ページ範囲:P.32 - P.33

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 患 者:49歳 女 主婦

 1965年10月,激しい上腹痛のため受診し,胃X線検査及び胃カメラ(PⅡ型)検査の結果胃潰瘍と診断されて入院した.その際の胃カメラ像はFig. 1の如く,胃体下部小彎と前壁の境界に1cm弱の胃潰瘍(H1)があり,底部は白苔におおわれ,辺縁はやや不整だが周辺隆起は軽度で凹凸不整も著しくなく,前壁から2本のひだの著明な集中がみられるが蚕蝕像ははっきりしない.型通りの食餌,安静と薬物療法でとう痛は消失し,37日後の胃カメラ像はFig. 2の如く,いわゆるalmost healed ulcer(H3)で中心にごくわずかのびらん状白苔があり,ひだの集中はあるが蚕蝕像は認められない.初めより約3ヵ月後はFig. 3の如く,中心の発赤とわずかの凹凸不整,その辺縁の褪色,ひだの集中と蚕蝕像?を認める.患者は神経質のため,X線とpⅡ型胃カメラ検査には応じたが,生検は拒否した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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